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社畜の社会人が公務員試験に挑戦したけど奈落に落ちた話

投稿日:2017年8月22日 更新日:

「人生でめちゃくちゃ後悔していることって、数え切れないなー」

夕暮れ時の帰り道、車を運転しながらそんなことを思いふけっていました。
「もしも」とか「あのとき」とか「こうしていたら」なんていう たられば劇場はいくらでもあると思うのです。

後悔した出来事の中に「国家公務員を受験して落ちた」という悔しさしか残っていない出来事があります。
いま考えてもなにがプラスになったのかわかりませんが、挑戦したことで唯一得られたことは2つ。

  • 過信しない心
  • 世の中の厳しさを学べた

そして、マイナスとして捉えられるのは「時間を無駄にした」ことです。

今回は国家公務員を受験して落ちてしまった悲しみを背負った男の話をします。

公務員試験を受験したときのわたし

社会人になって3年目の頃で、いまでいう「国家総合職(大卒程度)」を受験しました。

この話をする前に言っておきたいことがあります。

それは、僕はまったく頭がよくないということです。
性格は見栄っ張りで、他人よりも優位に立ちたいとか、ひねくれた思考もあるわけですが、こういう奴ほどよく吠える、とそんな感じです。

大学生の頃は公務員=情けないというイメージだった

大学時代なんかは「公務員なんてなる奴は情けないやつだ」なんて言い散らかしてた自分がいるのですがまさかここまで手のひらクルー!!するとは思いませんでした。

 

当時は、勉強するのが嫌いって理由だけで周りいた受験する人たちを「情けない」とか言ってましたね。
ジャイアニズム寄りのスネニズムって感じでした。

Ka`s(かーず)
ほんとアホだよなーなんて自分でも思います

いまの仕事から逃げたかった

受験した動機なんかは、よくありがちな感じでいまの仕事がいやで、いやで仕方なかったからです。

当時、現場監督として建設業界のど真ん中の位置する仕事していました。
毎日、毎日パワープレイな仕事をしている中、何度か官公庁(公共系)の物件を担当することがあったのです。

関連記事現場監督になりたての頃の仕事は体力的にも精神的にもキツい

公務員を目指すキッカケ

建築中は、毎週決められた曜日に設計者・クライアント、そして現場監督の三者間で打ち合わせするのですが、官公庁の物件になるとクライアント側の参加者は公務員の人(市役所や県庁など)なのです。毎週、公務員の人が打ち合わせに来るわけで、何度か会っているうちに仕事の話からプライベートの話など、気軽に話せるほど親密になれるのですよ。

次第に仕事以外でも親密になりすぎて、飲み会に誘われたりします。

飲み会などで、公務員の仕事とか仕事の本音とか聞けたりするわけですけど、やっぱり隣の芝は青く見えるというように羨ましくなるわけです。

こうやって実情を色々知った上でも「公務員になりたい!」ってなったわけです。というのも、いまの超パワープレイオンリーの仕事よりインテルハイッテルって感じの仕事に転職したい気持ちがあったのと「公務員」って肩書があったらいいじゃん!みたいな軽いノリでした。

それでも少なからず、楽な仕事なんだろうなーなんてイメージを持っていたことも動機の1つだったです。実際は、人間関係はもちろんのこと、仕事自体の量がわりとキツいとは言ってましたけどね。

Ka`s(かーず)
とにかく、公務員って響きだけでも魅力が強かったのは事実です。

社畜にとって勉強は命を削ると同じ

学生であれば勉強時間作ることって簡単だと思います。
でも、社会人になると勉強時間作ることって命削る必要が出てきませんか?
特にブラック企業に勤務してる場合は、命を賭ける必要すらありますよね。

僕の場合、朝7時くらいから夜12時前後まで平気で仕事していたので勉強時間を作ること自体がとにかく難しかった。
しかも、昼間のほとんどがパワー系の仕事をするので、肉体的疲労感はすごかったです。

最初のころは、睡眠時間削って勉強してたのですが、これじゃ圧倒的に勉強不足になると思って悩んでいました。あと眠い!

スマホを使った独自の勉強法で頑張った

そこで仕事中に勉強できるタイミングを作ろうと思ったわけです。
ただ、事務で公務員の参考書なんて開いていたら、何を言われるかわかったものじゃなかったのでスマホを活用しました。

 

スマホで参考書のページを撮影しておいて、仕事の合間に勉強する

 

これが自分にとっては、かなり有効な手段でした。外に出て現場巡回しながら合間が出来た時は、すかさずスマホで問題を解く!ということを筆記試験当日まで繰り返していました。

もちろん休日なんかも捨てて、全ての時間を勉強時間に当てました。

涙ぐましい努力をした話に見えますが、基本スペックが悪かったのでこれくらいしないと受からないと思ってたので当たり前体操です。

関連記事社会人になってからの勉強方法は「自分なりに工夫すること」が大切

筆記試験を合格して慢心

努力した結果、クソ難関とか言われてた筆記試験にはなんとか合格することができました。

両親に報告したときはめちゃくちゃ喜んでくれ、とくに母なんかは親戚中に報告してまわるほど喜んでくれていました。
いまとなっては「悲しみを背負ったセガレ」というイメージが親戚中に知れ渡っていますけどね。(つらw)

致命的な苦手科目がありすぎてた

勉強する範囲って尋常じゃないくらい広くて、公務員試験の実態を知ったときの感想は「やべぇな、オラ ワクワクすっぞ!」でした。

広大な範囲の中でも、専門科目なんかは苦手の部類だったので、かなり致命的な状態でもあったわけです。さらに、数的処理という教養科目も致命的だったので、問題は山積みの状態。

苦手科目を克服する苦行で乗り越える

致命的すぎる実力しか持っていない僕は、ただひたすら苦手科目を修行僧のように勉強しました。その結果として、筆記合格に至るわけです。

ちなみに僕が使ってた参考書をちょっと紹介すると、公務員試験勉強の定番である「ワニ本」で数的処理の基礎を固めていました。

見た目がポップで簡単そうなイメージからワニ本を選びました。これが基礎の勉強にはベストで、難しい問題はなく基本的なところから勉強できたのでとても感謝しています。解説も丁寧でわかりやすいので初学者にとっては、勉強しやすいです。

一応、1部と2部で別れているのでもちろん両方あったほうがいいことには間違いありません。

 

僕はワニ本で勉強しても基礎に不安があったので、基礎勉強用にもう一冊使っていました。

小学校の算数で習った公式なんかも頭からスッポリ抜けていましたが、そんな初歩的なことまでしっかりと書いてある参考書です。数学も算数も苦手であれば、必須級の参考書ではあります。

 

僕が苦手を克服する勉強をする中で感じたのは、めちゃくそ簡単な問題を何度も解くことが大切!ということです。
基礎の解き方を学んだおかげで、応用問題が出題されても、自然と考えれば解けるくらいまで実力が身についていました。

関連公務員試験対策にオススメな参考書まとめ

筆記試験に合格して内定確定と錯覚

僕は、社会人受験生だったので「面接なんてチョレー」とか思っていました。
これが大きな勘違いで、最終的に人事院で蹴られて泣いているわけです。

筆記さえ合格すれば内定確定みたいなものだと、心の底から思っていたわけです。
公務員の面接は、会社の朝礼で全員の前でお話するくらいなレベルだろうとか思っていました。

Ka`s(かーず)
なぜ合格してると錯覚していたんだ…

面接の勉強?

そんなものはしていませんでした。
社会人マナーもできてるでしょ~とか勝手に思い込んでいましたし、筆記終わった後なんか遊び呆けていましたもの。

面接でコテンパンにされた

胸を張って語ることができるような志望動機など用意しているわけもなく、面接では散々な結果となってしまいました。
集団面接でも自分の浅はかな考え方を悔いていると共に、個人面接での失言・・・あの時の自分がどれほど愚かであったか。

面接では同席していた意識高い系の方々の発言が段違いのレベルで、自分の考えがショボすぎると感じてしまいました・・・
いま思い返せば、周りの雰囲気に圧倒されながらも、よく頑張ったほうだと思っています。

ちなみに面接の日は平日でしたので、あれやコレやの理由をつけて無理やり有給休暇を取って挑みました。

リピートアフタミーの質問責め

堅苦しいおっさん、おばさんに囲まれて威厳ある雰囲気の面接で定番のあの質問をされました。

 

「本当はいまの仕事が辛くて逃げ出したいんでしょ?ん?いうてみ?」

 

もちろんこんな質問くらいでは、致命的なミスは侵さないと思っていました。
しかし、面接中に何度か似たような質問を繰り返され、最終的に「辛いでしょ?」責めを受けたのです。そこまで同じことを聞く必要性がどこにあるのか…むしろ実務的な質問をしたほうが適正な判断ができるのではないだろうか、そんなことを思っていました。

この質問責めがしつこいので、あえて

Ka`s(かーず)
いまの仕事は建設業界でもトップレベルに大変ですが、とにかくやりがいの大きさがあって自分の仕事に誇りをもっています。

と答えたわけです。

 

もはや自分の発言の意図すらわかっていない状態にさせられていたことに驚きました。まさにメダパニ状態…それを狙っていたのだと理解したときにはすでに遅かったのです。

発言の意図は「いまの仕事すげー楽しくてこれからも続けたい!」と言ってるのと同じことで、それにまったく気がつかなかったのです。

 

筆記さえ通ってれば受かると思っていたのでコレくらいの発言では落とされないと思っていました。しかし、こんなわけのわからない発言を何度かしているため、もう8割ほど諦めモードに変わっていました。

論点のずれた発言を他にもいくつかしていましたが、覚えているのはこれだけです。

合格の福音はいずこへ

僕は正直なところ、どの省庁にも興味なかったと言えばそれは正しいです。
あえて環境系にだけは、微粒子レベルで興味がありましたが、面接後はそんなことを考える余裕すらありませんでした。

面接を受ければ「合格するか、お祈りされるか」なんて面接内容でなんとなくわかるものです。
だけど、めっちゃシコ筆記試験の勉強を頑張って、ここまで来たからには奇跡でもいいから受かっていて欲しいと思ったのも事実であります。

面接後は、こちらからの働きかけは無いため、神頼みしかありませんでした。なので、僕は毎日、毎日、合格発表という審判の日まで神棚に向かってお祈りしていました。

残酷な発表とショックで動けなくなる

心のどこかでは、不合格になることはわかっていましたが、実際に審判の日が訪れるまでは微かな希望を持っていました。

 

冬の訪れが予感されるようなそんな季節に「審判の日」がきました。

 

結果は。。。

 

 

 

「お祈り、おいのり~」

 

 

結果を見た瞬間に現世という不条理な社会に憎しみを持ち、努力が必ずしも報われることはない世の中であると痛感したわけです。

 

本気でやって、その結果が報われなかったっていう経験は、いままでにも何度か経験していました。しかし、これほどまでに心を壊されるような気持ちにさせられたのは初めてで戸惑い、とにかく辛い思いをしたのです。

あまりのショックで仕事を休み、その日はなぜか涙と嘔吐が止まりませんでした。

「悔しい。悔しい。悔しい。」そうつぶやきながら、自分を落ち着かせることに必死になる1日を過ごしたのです。

仮面を被った社畜に変わった

二日目も休んでしまおうかと考えましたが、午後に急なアフター対応が入ってしまって担当が僕しかいないこともあり、無理にでも仕事に行くことを決意したのです。

「午前中だけ休めただけでも良かった」と、そんなことを思いつつ現場へ向かいました。

相手にメンタル状態を悟られないようにと、渾身の営業スマイルで仕事に励みました。その日は、夜11時くらいまで仕事をしてしまったわけですが、意外にも仕事をしていると平気な精神状態であることに気がつきました。

Ka`s(かーず)
作った笑顔という仮面を被っていれば平気じゃーん

そう考えながらもいつの間にか、いつもの社畜の姿に戻っていたのです。(本当は強がってるだけ)

無理にでも見繕った生活をしていることで、知らぬ間にメンタルパワーが1段階上がったではないでしょうか?

おわりに

これっきり公務員試験を受験することなく終えてしまったわけですが、二度目を受けなかった理由はいくつかあります。

受験しない理由

1.受験すること自体が怖い(落ちたときのショックが異常)

2.勉強時間を資格取得に変換したほうがいい

3.年齢的問題

4.心底公務員をやりたいと思っていない

公務員の筆記は勉強してないと、完全に忘れます。忘却曲線っていうのがあるように解き方すら忘れます。悲しいことに受験1年後には、あやふやな記憶しかないので解くことは難しいでしょう。

そして、なにより公務員試験の勉強に費やしても合格が確定することはありません。あくまでも合格率が上昇する程度です。

それならば、勉強時間を資格取得のために使ったほうがより良い人生を送ることができると思ったわけです。現在でも複数の資格取得に向けて勉強する毎日ですが、公務員試験の勉強に比べればマジでちょろいです。
結果として、受けた資格は全て合格しています。(むずかしい資格じゃないから)

さいごに

コテンパンに敗北したわたしですが、本気で公務員を目指す理由を持って頑張っている人は応援します。がんばってください!めちゃくそ頑張ってくれ

逆に中途半端に公務員を目指している人は諦めることも1つの選択であると思っていただきたいです。

追記2017/12/1

この記事をお読みになっていくれる方は、おそらく公務員試験に落ちてしまって気分が滅入ってるはずです。

試験勉強を必死になって努力したけど、報われなかったという方が大半なのではないでしょうか。ネット上には公務員試験に合格して、華々しい記録を書いた記事が多いのも事実の1つです。しかし、逆に落ちてしまったこと伝える方は非常に少ないことに「少しでも気が紛れるなら」という思いもあり、この記事を書かせていただきました。

いまは、悔しい思いで辛いかと思いますが、いままで我慢してきたことを思う存分楽しむときです。

そして、気分が落ち着いたら、また新たな目標を持ってお互いに頑張りましょう!

ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

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