スマホゲームを長時間プレイしていると、背面がめちゃくちゃ熱くなって「アツすぎ!壊れるんじゃ!?」と、思うことがしばしばあります。スマホを冷却する方法の中に「10円玉をプロセッサチップ付近に設置すればいい」という噂を聞いて、本当に効果があるのか疑問に思ってしまった。
そんな中、10円玉冷却法を検証した記事があったわけですが、自分でも実際に試してみたいことの1つでした。拝見した記事はこちら「http://www.appps.jp/271877/」
記事を見ても10円だけしか試していなかったのだが・・・他の硬貨ではどうなるのだろうか?そこでちょっとした合間を使って、10円玉だけではなく1円玉、5円玉でも温度の下がり具合を測定してみた!
結論から言うと意外にも1円玉のほうが10円玉より優秀かもしれないということがわかりましたw
ここではスマホの熱対策に使える、冷却方法の1つ「10円玉やそのほかの硬貨の設置」を実際に試した結果のお話をしています。
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スマホの熱を10円玉を使って下げてみた!
10円玉には銅が使われていて、これが熱を下げる効果があると言われていました。冒頭で紹介した記事では、10円玉を設置したときと、何も設置しないときでの温度変化を調べていました。
結果はやはり、下がり具合は10円を設置した時のほうが大きく、実際にスマホの熱対策効果はあるようです。
10円以外の硬貨でもスマホの熱対策ができるかもしれないので、こちらでも各硬貨での温度低下の記録を残しておきます。
測定箇所と環境について
数日に渡って検証していましたので、できるだけ同じ環境での計測になるようにしていました。
計測時の室温は27℃前後、湿度は55%前後。
また、計測に使ったスマホはiPhone7Plusで、最も熱が発生する箇所はプロセッサチップ付近になるかと思いますので、その箇所を非接触型の温度測定機で計測。プロセッサチップの場所はGIGAZINEさんの記事で確認しました。
測定器はちょっと怪しげな装置でもあるので、そのあたりはある程度の測定ができればOKということにしてくださいw
何も設置しないときの温度推移
とくにゲームをプレイするわけでもなく、待機状態のまま放置しておくと、どれだけ温度が変わっていくのか1分おきに10分間の計測をしてみました。
待機状態にする前はLINEを少し触っていたぐらいで、通知などの影響で画面が表示されないように「おやすみモード」にしてから計測しています。ちなみにアプリのバックグラウンドによる影響も意識していたので、全てのタスクを解除してからの待機状態となります。
10分間の温度推移はこんな感じになりました。
室温と同じくらいまで温度が下がることは予想していましたが、そのまま室温と同じくらいになりました。
待機状態では、10分程度で室温同等くらいまで温度は低下するようです。数回に渡っての詳しい検証ではないので、また機会があれば他の家電とかでも調べてみたいところですね。
スマホゲームを10分間プレイして負荷をかけてから放置
ここからは計測前にゲームをプレイして、iPhoneの温度を上昇させてから温度推移を調べてみます。
プレイしたゲームは音ゲーの「バンドリ!」です。温度が上昇するまで10分間やってみました。
また、10分間のプレイ直後を測定前温度としています。ちなみに20分ほどプレイしてから計測すると39℃前後と異常なまでに温度上昇していました。10分間のプレイだと34℃付近まで上昇し、待機状態の28℃前後から+6℃ということになります。
まずは、10分プレイして何も設置していないときの温度推移の結果です。
ゲームをプレイしていない待機状態時の温度になるまで、おおよそ8~9分ほどかかりました。室温の影響もあるかと思いますが、炎天下の外にいたらさらに時間がかかることが予測されます。
基本的な下がり幅は0.5℃付近でじわじわと下がる様子が見られました。10分経過しても室温まで下がり切ることがなかったので、ただ放置しているだけだと温度が下がるまでそこそこ時間がかかるようです。
10円玉設置での冷却効果はある!
10分間のゲームプレイで負荷をかけたあとに10円を置いてスマホを冷却してみました。
10円は95%の銅が素材になっているようで、その他には亜鉛とスズが数%含まれているようです。室温付近の銅の熱伝導率は398W/m・K程度らしいですが、接触面積とか細かいことはあまり気にしません。参考程度の数値として表記しておきます。ちなみにwiki参照の数値になります。
10円設置のスマホ冷却効果の結果はこちら
何も設置していないときに比べると、急激に温度を下げていることがわかりました。5分前後は温度を下げ続けているので、スマホの熱がヤバい時に使えそうですね。
2回測定してみましたが、同じような結果となりました。こちらのグラフに掲載している数値は温度低下が良くなかった方を採用しています。
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他の硬貨だとスマホ熱を下げられる?
ここからが本題ですが、冒頭で紹介した記事では10円玉での検証をしていました。しかし、他の硬貨ではどのようになるのか不明だったので、せっかくこっちで試しているので調べてみることに!
調べる対象は1円玉と5円玉になりますが、おまけで銀が多く含まれているアクセサリーでも調べてみました。
50円玉や100円玉を除外した理由は、単純に銅の使用率が低いことで試す意味がないと思ってやっていません。ちなみに昔の100円玉には銀が多く含まれているので試したかったのですが、手元にそんな貴重なものはないので断念することに・・・。
1円玉の温度推移
1円玉は純アルミニウム製で使用率は100%らしいです。アルミニウムの熱伝導率は236W/m・K程度と、銅と比較すると数値も低い。
しかし、銅よりも安価に使用できる材料なので多くの家電に使用しようされていたりもします。実用性を考えれば、結構期待できるのが1円じゃないでしょうか?
1円設置でのスマホ冷却効果の結果
計測の結果で、10分後の状態が10円玉を設置したときよりも更に温度を下げていたことには驚きました。計測した中でも最も低い温度の記録も出ました。
測定方法が素人なので、単純なミスかと思いましたが、3回計測して10分後には、27℃付近(室温と同等)まで低下していたことを思えば、この数値も誤りではないかと思います。
5円玉での温度推移
5円玉の素材は一定の使用率ではなく、銅が60~70%と亜鉛が30~40%と、バラつきが結構あるようでモノによっては結果が変わってきそうな感じもしました。ちなみに熱伝導率は113W/m・K程度と、今回の調査の中では最も低い数値の素材となっています。
5円設置でのスマホ冷却効果の結果
硬貨の中で最も緩やかに温度が下がる様子を確認しました。予想どおりとは思っていましたが、何も設置していない時に比べると設置の効果はあるようです。金属を置くだけでこれだけ違いが出ると、スマホケースを金属性にすれば、熱の心配がなくなるんじゃ?と、少しは思いましたw
シルバー925での温度推移
身近に銀でできているモノを探した結果、アクセサリーが目に止まったので、こちらで検証してみることに・・・一応、怪しいアクセサリーだと銀の使用率が不明なので、今回はJustin Davisさんのネックレスチェーンを使ってみました。(正規店で購入しているのでコピー品ではありません)
材質はシルバー925で、銀の使用率は92.5%となります。熱伝導率はこの中で最も高い420W/m・K程度となっています。これは期待できそうですね。
シルバー925設置でのスマホ冷却効果の結果
最初の2~3分は微妙な差でシルバー925が一番下がりました。
接触している面積も広くて比較するには微妙な感じなので、おまけ程度の測定という感じで見ていきたいところです。
さいごに
実際に効果があるのか検証してみましたが、高温状態のときに硬貨を置けば温度の下がる速度が増すのがわかりました。しかし、現実的に考えればスマホケースを使っていれば、わざわざ硬貨を置くためにケースを外さなくてはなりません。よほど熱に困った時以外は、硬貨を置く方法で冷却することはないのかと思います。(ここまでやっておいて・・・)
一度は自分の目で確かめてみたかったことの1つなので、今回の検証結果をシェアしておきますw
結果一覧
【各材質での温度低下の推移】
いずれも、5分程度まで急激な低下を見せて、そこからは緩やかに室温付近に向かっていくということがわかります。また、何も設置していない時に比べると硬貨を設置したほうが高温時の低下速度が良いという結果に。
みなさんも、スマホを冷却するときには硬貨を使った方法を試してみてくださいね!