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【レビュー】ひるね姫の感想は「娘と一緒に観たい作品」!大人だけで見るのはオススメしない

投稿日:2017年10月8日 更新日:

ひるね姫/Amazonビデオ

 

上橋菜穂子著書『精霊の守り人』をアニメ化した際に監督を努めた神山健治が手掛けた作品の1つ『ひるね姫~知らないワタシの物語~』を観ました!

全体的な感想としては、この作品をオススメするなら「娘がいる親子」に是非見てほしいと思った。作中で登場する中心人物は父親と娘(女子高生)ということもあり、親子の絆が深まるのではないかという安直な考えです。(娘欲しい…)

自分はまだ親ではないので感情的になるほど作品にはのめり込みませんでしたが、もし自分に娘がいるなら一緒にみたい作品の1つだと強く思ったわけです。

僕が『ひるね姫~知らないワタシの物語~』を観て感じたことを語ろうと思います。

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ひるね姫のあらすじ

岡山県倉敷市で父親と二人暮らしをしている森川ココネ。何の取り得も無い平凡な女子高生の彼女は、ついつい居眠りばかり。そんな彼女は最近、不思議なことに同じ夢ばかり見るようになる。

進路のこと、友達のこと、家族のこと…考えなければいけないことがたくさんある彼女は寝てばかりもいられない。無口で無愛想なココネの父親は、そんな彼女の様子を知ってか知らずか、自動車の改造にばかり明け暮れている。

2020年、東京オリンピックの3日前。突然父親が警察に逮捕され東京に連行される。どうしようもない父親ではあるが、そこまでの悪事を働いたとはどうしても思えない。ココネは次々と浮かび上がる謎を解決しようと、おさななじみの大学生モリオを連れて東京に向かう決意をする。その途上、彼女はいつも自分が見ている夢にこそ、事態を解決する鍵があることに気づく。

ココネは夢と現実をまたいだ不思議な旅に出る。その大きな冒険の末に見つけた、小さな真実とは…

引用-http://wwws.warnerbros.co.jp/hirunehime/t2/story.html

ネット上であまりよろしくない評判を多く目にしていたため、悲観的な先入観を持っていました。

『君の名は。』に似ている、という謎の噂が蔓延っているのが原因でしたが、僕からしてみればどこをどのように解釈すれば「似ている」という考えになるのかイマイチわかりませんでした。

そう感じたのもあらすじをチェックした段階であり、作品を観ていない状態だったため不確かではあります。しかし、少なくともあらすじをチェックした段階ではなにがそっくりなのかわかりませんという感じです。

あらすじからは魅力を感じなかった

本作品の舞台の1つである岡山県のランドマークというべき存在「瀬戸大橋」が予告編にも現れている点を見ていると、岡山県民にとっては大変嬉しいことなのではないでしょうか?

僕は、一度だけ瀬戸大橋を訪れたことがあります。橋全体を一望できる場所で見たときには絶妙なカーブを描いて直線でないことに驚きを隠せませんでした。どのような設計であのような形になっているのか、興味がありますがここではその話題はこれくらいにしておきます。(余談すぎるw)

正直な話、あらすじからはあまり魅力を感じることができませんでした。というのも、疑問が多すぎたためでしょうか。

現実世界で問題が起きたら、ヒントを得るために眠って夢に入っていく流れがどうもイメージが付きづらかったし、現実との接点がどのようにあるのかイマイチつかめませんでした。

そこについては『インセプション』の流れを思い出し、似たようなものだろうと想像して無理やり解釈した感じです。現実世界で壁にぶち当たったら、夢世界で相手をブレインコントロールしていくSFらしい内容なのかな~と想像していました。また、アニメーションでインセプションのような内容をやっても今ひとつ魅力に欠けると感じていました。

結局のところなにが言いたいかというと

  • 作品としての魅力があまり伝わってこないあらすじだったこと
  • ネットの評判があまりよろしくない

上記二点を頭の片隅に置いていたため、視聴前の期待度はものすごく低かったです。

Ka`s(かーず)
インセプションは好きだからね?

ひるね姫で思った5つポイント【感想】

冒頭でもいいましたが、僕はこの作品を娘と一緒に観たいと思いました

ただし、小学校低学年なら一緒には観ないと思います。高学年くらいになったらぜひ一緒に楽しみたい作品であると

シリアスな展開もそれなりに多いので大人でも楽しめるし、ファンタジパートもかなりの割合で描かれているため、子どもと一緒に楽しむことができるのではないでしょうか?

最終的には夢と現実の出来事が一致していく展開なので、ある種の爽快感は得られるはずです。イメージ的には、ピタゴラスイッチほどの展開まではいかなくとも似たような感覚は味わえると思いました。

【残念だった点】

ただし、盛り上がりには欠ける印象もありました。

全体的に平坦な流れで物語が進むため、「あっ!」という驚きはまったくなかったです。

そして、最も残念だったのが夫婦間の描写がエンドロールに集約されてしまっている点です。

単発作品として制作しているため、尺の問題で難しいのかもしれませんけど、主人公「ココネ」の父と母が結ばれるまでの内容を作中に盛り込んで欲しかったです。もしかすると、同じように考える方もいらっしゃるかもしれませんね。

小説版でなら細かい設定の話までしっかりと語られているようなので、後日読んでみようと思います。

【良かった点】

「自分の娘に見せたい作品を作ったらどうだろうか?」という声があって本作品に着手されたと思いますが、その点は成功していると思います。

実際に娘がいない僕も「もし娘ができたら一緒に見せたい!」と思うほどであったので、監督もその気持ちを持って制作したに違いありません。

ファンタジーパートは子ども向けで良い

 

本作品の重要なポイントである「夢」は総じてファンタジーパートとなっているので子どもがワクワクできる仕上がりになっていると感じました。

ただし、我々のような曲がった大人からすれば退屈に感じることもしばしば… もし、これが愛する娘と一緒に観れるのであれば一緒にワクワクできること間違いないと思います。

そういった意味では、視聴する層を選別しているような感覚を味わったため、早く結婚して娘が欲しいな~と思っちゃいましたw

Ka`s(かーず)
親子で見るにはいい作品ですわ・・・

夢世界時にいるときの現実世界での動きが知りたい

僕の理想をいえば、夢世界で行動しているときの「現実世界の動き」を回想シーンのような感じで描いて欲しかった

夢の世界と現実世界が連動していることは確かに伝わるのですが、ラストシーンの現実世界の流れがとても気になってしまいどうしようもなかったです。

ラスボスのように出てきた「鬼」は報道メディアをイメージしているのかと思いますが、作品をとおして日本のメディアの悪態さを表現しているようにも感じました。

立ち向かう姿は惚れる

今回の主人公であるココネは女子高生、年頃の女の子が恐れを払い除け立ち向かっていく姿は爽快さそのものでとても勇敢に感じることが出来ます。

もし現実世界であれほどの勇敢さを持った女子高生がいるのであれば、それは英雄かなにかの生まれ変わりなのだろう。そんなことを思いながら、鑑賞させていただきました。

いまの女子高生は恐れ知らずの面があるのかもしれませんが、ココネのような天真爛漫を合わせ持った女子高生はそうそういないのではないだろうか。

終始テンポが良かった

つい最近、テンポの悪い作品を観たばかりだったので『ひるね姫』のテンポが物凄くよく感じていました。

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上記のレビューした作品ではTVシリーズのアニメを再始動させたものですが、内容はただの総集編です。時系列の変化が物凄く多くて、ワンシーンでも見逃そうものならわからなくなること必須でした。つまり、話が現代にいったり過去にいったりする内容であったためテンポが悪い作品であったことは間違いありません。

以上の経緯があったため、ひるね姫のテンポが物凄く良いように感じたわけです。

現代のソーシャル世界を皮肉にしている

ラストシーンで「自動運転システムが完成しませんでした。」という内容を世間に情報発信する場面がありました。そして、送信したあとすぐに「鬼」が豹変し、暴走した挙句に町が炎で燃え盛る描写になるのですが、その場面を観てSNSとか現代を皮肉っていうるように感じました。

SNSでの「炎上」を意味していて黒い闇(批判の声)が父「モモタロー」を襲っているようなイメージだったのではないでしょうか?

なぜ父の「モモタロー」を襲っているのかわかりませでしたが、1つだけわかることはソーシャル世界を違う形で描写して皮肉っているということです。(違ったらすまん)

Ka`s(かーず)
少なくとも僕はそういう風に感じられました

さいごに

ネット上では酷評が多くみられる作品でとても残念に思いますが、ある意味仕方のないことかもしれません。作中では小説版の内容を省いていることが多く、疑問が残ってしまう点も多かったのが原因ではないでしょうか。

しかし、僕はこの作品を「娘と一緒にみたい作品の1つ」として選ばせていただきます。将来、娘ができたときにはいつか観たい気持ちにさせられたので観て良かった作品でした。

主題歌が素敵


エンドロールでも流れていた「デイ・ドリーム・ビリーバー」は森川ココネ役の高畑充希が歌うことによってクオリティが上がっているように感じました。

とても素晴らしい楽曲ですので良かったら視聴してみてください。


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